イーサリアム

「イーサリアム」について

仮想通貨の一つであり、ビットコインに次いで知名度の高いイーサリアム(Ethereum)は、この記事を執筆の時点で1ETH(イーサ, イーサリアムというプロジェクトの通貨単位)が仮想通貨の中ではかなり高く、時価総額はビットコイン、ビットコインキャッシュに次いで3位です。

イーサリアムのブロックチェーンには、元祖のビットコインのブロックチェーンより機能拡張され、「スマート・コントラクト(Smart Contract)」という一種の条件文書き込み機能を添加しています。

「スマート・コントラクト」は、ごく簡単に言えば缶ジュースの自動販売機のような自動化機能です。

自動販売機では、例えば130円投入され、あったか〜いのコーヒーのボタンが押された時、ひと缶のホット缶コーヒーを取り出し口から出せ、というプログラムがセットされていますね。

これと同じように、例えば大家さんへ12月1日に自動でこの0.06BTCを送るといった条件文をスマートコントラクトに書き込み、その後は人間の都合に影響されず、正確にその条件に基づいて契約が自動的に実行されます。その後、実行内容がイーサリアムネットワークのなかで永久保存されます。

このような賢い契約書とも言える、イーサリアムのスマートコントラクト機能により、ブロックチェーンには取引の内容だけでなく、交わされた契約の内容と結果が一緒に記録されます。

イーサリアムはこれまで仮想通貨の中ではビットコインに次ぐ時価総額を誇り、2番手のポジションを保ってきました。ところがビットコインキャッシュが登場し、急落したものの価格が復活して、時価相場でイーサリアムの数倍にまで達し、第2位の地位を奪いました。

イーサリアムの好材料ニュースも長らく聞こえて来ず、しばらくは横ばいの相場が続きそうです。

イーサリアム・クラシックについて

「イーサリアム・クラシック」とは、もともとイーサリアムとひとつでしたが、ハードフォーク(分岐)して別々のコインとなった、その片割れです。

イーサリアム・クラシックという名前ですが、実は分岐してスピンオフしたのがこちらのクラシックの方で、実はこちらが「新しい方」になります。

イーサリアムを基本としつつも、イーサリアムよりも安全性を強化したと言われる、自称強化版イーサリアムです。

なぜ安全性のことで分岐(ハードフォーク)してしまったのかというと、イーサリアムを使ったネット上のクラウドファンディングになっていたthe DAOの潜在的なバグにつけ込まれ、イーサリアムがハッキングされてしまう事件があり、多くのETH(イーサ)がハッカーによってやすやすと盗まれてしまうというトラブルがありました。

この事件の後、イーサリアム技術陣の一部が、ハッキング事件で盗まれた分のイーサを無効化して、ハードフォークで切り捨ててしまおうとしました。

しかし、このように、一人や数名の中心人物の一存で、いきなり仮想通貨の価値を操れるのは、本来の仮想通貨のあり方にそぐわないと猛反対した技術陣もいました。

このポリシーの違いからイーサリアムでは派閥が分かれてしまい、反対派は最終的にイーサリアムと袂を分かち、新しいコイン、つまりこのイーサリアム・クラシックを作るに至ったのです。

そういう経緯から、このイーサリアム・クラシックには、そもそも仮想通貨は一部の誰かの思惑で簡単に使えなくされたりしてはならないとの、リベラルな思想が盛り込まれています。

イーサリアムは自由度や拡張性が大きすぎ、それがハッキングの足掛かりとなりやすい問題があったため、イーサリアム・クラシックではイーサリアムよりも自由さを下げ、逆に制限し、安定性を強化しています。

イーサリアム・クラシックは価格面ではかなり安価ですが、しかしイーサリアムがthe DAO事件の後、弱点を晒し、また図らずもガバナンス面で仮想通貨として好ましくない、「中央集権型」な動きを見せてしまったためか、人気は伸び悩んでいます。

その点を見ると、今後亀がウサギに追いつく可能性は高いと言えるでしょう。